7月に、東京純心女子中学の2年生の方からグループでインタビューを受けましたが、この度、文化祭で発表されるとのことで、お招きいただき、26日に行って参りました(^^♪

各グループ15分間の持ち時間で、いろんなNPO団体を紹介するというものでした。

会場に着くと、一番前の席が用意されており、6人の発表者のみなさんもやりづらいだろなあと思いながら聞かせて頂きました。発表者の方が「八王子つばめ塾とは、経済的に苦しいご家庭の~」という説明の冒頭を聞き、とても感慨深いものを感じました。
私が塾を設立して9年。ありとあらゆる人に「八王子つばめ塾とは~」と声を枯らして(子どもの頃から枯れてますが、、、)説明をしてきました。入塾規希望者、ボランティア希望者、卒論を書いている大学生、そして各地の講演会で、何十回、何百回、いや千回は超えていると思います。しかし、ここでは、私でなくて、中学生が一生懸命説明してくれている。自分以外の人がつばめ塾のことを伝えてくれる境遇になったかと思うと、月日の長さを感じました。

さて、発表自体は、実質10分間という大変短い中で、私が想像していた以上の素晴らしいものでした。私でも、たった10分でつばめ塾の説明をしろと言われたら、かなり迷います。どこを抜き出して伝えるか、とても難しいのですが、この発表では、「経済格差の問題は、その人個人的な問題でなくて、社会全体で考えるべき問題です。」と発言されました。私は大変驚きました。新聞やテレビ、雑誌のインタビューでも、この部分はカットされることが多く、単に塾生が何人いるとか、困窮家庭の状況はどうだとか、そういうことのみを伝えるメディアもある中で、私が一貫して訴えていることをしっかり抜き出したことが驚きでした。1時間程度の短いインタビューでしたが、しっかり聞いていてくれたんだなと嬉しくなりました(^^♪

また後半では、それぞれが「自分の行動宣言」として、この学びから具体的な行動に移すことを各自発表されたのですが、これも良かったです。「つばめ塾のことを人に伝える」とか「将来無料塾の講師になりたいから、今からしっかり勉強する」など、直接的な動きを考える方もいて嬉しかったのですが、他に「自分のライフスタイルを見つめる」といった方もいたのが、本質的だと感じました。無料塾の話を聞いた人全てが「寄付をする」とか「講師になる!!」いうことはありえないわけですから、こういう話を聞いたときに、子ども食堂やフードバンクなどでもいいので、関心を高めてくれることが大事なことです。つまり、「他人事から自分事に変える」ということが一番のポイントです。中学生のみなさんは、今回の研究を自分事として捉えてくれたんだなと嬉しくなりました。

今回の研究を通して、色々なことを学ばれたみなさんが、永遠にこのことを覚えているとは思えません。しかし、「一回も聞いたことがない」ことと、「一度でも学んだことがある」には大きな違いがあります。今回の学びから、社会的な問題に興味を持たれ、弱い立場にある人に思いを寄せられるみなさんになったとしたら、これほど嬉しいことはありません。

理事長 小宮位之