私ごとで大変恐縮ですが、私の父である小宮高広が5月4日に亡くなりました。
昨日がお通夜、今日告別式を無事執り行うことができました。
生前、お世話になった方もいらっしゃいますので、ここで報告させて頂きます。

私人のことですので、ここで書くのも賛否あると思いますが、つばめ塾設立に大きく関わっているので、少し書かせて頂きます。

昭和19年生まれの父は、小学校、中学校にまともに行かなかったらしく、字が書けませんでした。中学を卒業後、いくつかの職を転々とし、ニートの先駆者として自宅で過ごす日々でした。
そうしたところ、歌舞伎の裏方を務めていた祖父の縁で、同じ仕事を始めました。そこで歌舞伎役者の中村翫右衛門(三代目)さんが、ほとんど本など読んだことがなかった父に対し、「とにかく本を読んで勉強しなければだめだよ」と諭し、励まして下さり、20歳から25歳まで真剣に本を読んで勉強したそうです。
父は後に「25歳まで、自分は結婚できるなんて思っていなかった。翫右衛門さんのおかげで、本を読んで、やっと人並みになれた。」と述べていました。
それで私が生まれたのですから、翫右衛門さんは命の恩人なわけです。

また、父は地元の少年野球のコーチを25年間も努めた人でした。子どもが大好きで、小学1年生の部員などにはよく絵本など買ってあげていました。「うちも生活が大変だというのに、お他人様の子どもに誕生日プレゼントを買ってあげるとは!」と母が笑っていたのをよく覚えています。
私がつばめ塾を設立したのも、子どもたちのために真剣に取り組む父の後ろ姿を見て育ったことが大きな要因の一つです。

そう考えるとき、教育というのは決して有資格者のみが行うものではなく、思いのある人が、子どもたちを諭し励まし、真剣に取り組んであげることが第一義だと思うのです。タテの関係(親・先生)でない存在つまり「ナナメ」の関係である私たちが子どもたちにいい影響を与えられるよう、つばめ塾としてこれからも努力していきたい。

父とはフィールドが違いますが、「後輩」として、これからも努力することを父の霊前に誓いました。

事務局長 小宮位之