私は高校の地歴科の教諭ですが、常々このような疑問がありました。
「旅行や帰省などによって、実際に他の道府県に行ったことがある生徒と、ほとんどどこにも行かない生徒では、都道府県の認識に差はあるのだろうか?」
過去に、この疑問を解消すべく、テストをやってみました。
都道府県のテストを中3生に行い、漢字でちゃんと書けている県の数プラス、ちゃんと書けなくてもひらがなでもいいので認識できている県の数を「認識県」と定義しました。さらに、旅行や帰省で行ったことのある県を「歴訪県」と勝手に名づけ、どれくらい行ったことがあるかを書いてもらいました。
行ったことのある県は、「東京」「神奈川」「修学旅行で行った県」「幼い頃に行って、覚えていない県」は除いてもらいました。

実施人数26人の結果は、平均で、認識県の数が28.7県、歴訪県が3.3県でした。
サンプルは少ないものの、歴訪県が1県、0県の生徒の認識県の平均が19県に対し、歴訪県が7県以上の生徒の認識県の平均は41県と、かなりの差が出ました。
もちろん、歴訪県が多くても認識県が少ない生徒もいますし、少ない歴訪県で認識県が多い生徒もいます。なので一概に決めることはできません。

しかし、平均をとってみると「差」が出てきてしまうことも事実です。
帰省や旅行をすることで、その県の情報が体験となり、認識につながることは、当然のことです。では、経済的に余裕がなくて、旅行や帰省ができないご家庭はどうなるのか、、、自分自身が貧困家庭に育ったので、簡単でないことはよくわかっています。
自分が中学3年生の夏、歴訪県はいくつだったかと思いだすと、伯父さんが旅行に連れて行ってくれた静岡と千葉。中学の部活の合宿で行った山梨。この3県のみでした。でも、47都道府県は漢字で完璧に書けていました。もちろん「社会」が好きだったというのもあります。でも、勉強したから書けるようになったのであって、やはり克服するのは努力だと思いました。体験を超えることができるのが勉強なのだと思いました。

体験から来る「差」があるのは否定できない事実です。でも、勉強し、努力することで、それを超えることができると改めて思いました。なので、その勉強を応援していこうというのがつばめ塾の役割だとあらためて認識できました。これからも無料塾の運営に努力していきたいと思います!!

※詳しい分析結果はレポートにまとめてありますので、お読みになりたい方は、takayuki.komiya@802tsubamejuku.orgまでご連絡くださいませ。

事務局長 小宮位之