新しい天皇皇后両陛下のご即位を心よりお祝い申し上げます。
新しい「令和」の時代の始まりに際し、改めて八王子つばめ塾のミッションにについてお話したいと思います。
令和の出典は万葉集にあり、「良い季節に、風が和やかである」で、「お花見」の際の風景の序文から取られているのはみなさまご存知の通りです。いかにも穏やかな日本人らしい元号だと思います。
一方で現代の日本は、気忙しい雰囲気、ぎすぎすした雰囲気があるのも否定できません。春にのんびりお花見なんてとんでもない。そんな余裕はない!!という経済的に苦しいご家庭があることも事実です。25年前の我が家はもちろんそんな感じで、お花見などしたことは全くありませんでした。最低限の暮らしをする以外のお金は全くない家に育ちました。
そこで、新しい令和の時代は、元号に込められた「のどかな、穏やかな日常」が送れるよう、経済的に苦しいご家庭の希望になれるように、八王子つばめ塾が少しでも役に立ちたいと願っています。
これを、「ミッション」に当てはめますと、「八王子つばめ塾のミッションは、経済的に苦しいご家庭の子どもたちに、希望を持ってもらうことである。」と定義できましょう。
その目的達成のために、無料での学習支援を基本に据え、都立高校などの進学先の情報を提供したり、その相談に乗ったりします。また、お米やパスタを提供したり、子ども食堂さんやフードバンクさんと提携して、食料支援も行っております。さらには、奨学金事業を通して、交通費の援助、問題集の支給、英検などの受検費用の補助等、教育にかかる費用負担を減らす活動を推進していきます。
これからも、経済的な差から来る「不安」を軽減し、少しでも未来に「希望」持てるよう、つばめ塾に何ができるかを常に見つめて、確実に実行していこうと思います。
2012年9月に八王子つばめ塾を作った時、「多くの子どもたちを無料で教えてあげたい。」と思いました。さらに、口には出しませんでしたが、密かに「できるなら、ちょっとでもいいからご家庭にお金を出してあげたい」と思っていました。しかし、「そんなことは無理だ。どこにそんなにボランティア講師がいるのか。どこにそんなお金があるのか、、、」と当然諦めていました。
ところが、始めてみれば、ボランティア講師の方はどんどん増えて、今では85名程度の生徒を教えられる体制ができました。そして、2年経ったころから、寄付金が集まり始め、今では奨学金制度で200万円近い現金をご家庭側に提供できています。設立のころから考えると、本当に夢を見ているようです。しかし、これはすべて、ボランティア講師と支援者のみなさまのおかげ様です。
深く、深く感謝申し上げる次第です。
新しい令和の時代も、無料で学習支援をすることを通して、経済的に苦しいご家庭に希望をもたらすことができるよう、努力を重ねることをお誓いいたします。
特定非営利活動法人八王子つばめ塾理事長 事務局長 小宮位之