昨日、東京の渋谷にて、2回目となる無料塾シンポジウム関東大会を開きました。
無料塾シンポジウムは、以下の考えによって運営しています。
1、私たちは、学者や研究者ではないので、子どもの貧困などに関する研究者のご高説は、各自が聞けば良い。それよりも不足しているのは無料塾同士の情報交換である。
2、シンポジウムとは言っても、「長い基調講演の後、数人のパネリストが出て、それを単に聞く」という形を取らず、なるべく多くの人が短くてもいいから情報発信をする。
3、子どもの貧困などの諸課題に対し、無料塾という形の有効性は当然のことなので、「単に無料塾に興味のある人」はメンバーに入れず、運営上の課題を話し合うために、代表者やコアメンバーに限定して行う。
4、今の諸課題は、原因もわかり、処方箋もわかっている。あとは、誰がやるか、どうやってやるかがポイント。そのためのシンポジウム開催である。
5、この集まりで、徒党を組み、「行政や政治に対して何らかの要求」はしない。それは各個人や各団体が行えばよいこと。
以上の方針に基づいて2014年から、全国をはじめとして「無料塾同士が情報交換する」場であるシンポジウムを開催してきました。昨年からは関東地方の団体だけで関東大会を開いてきました。
今年の参加は、
八王子つばめ塾、淵野辺つばめ塾、つばき学習会、一般社団法人CAMEL、甲州無料塾ココロ、慈有塾、TERACO、日野すみれ塾、杉並わっか塾、夕暮れ学級さつき、学習支援室げんき、鶴川つばめ塾、相模原みのり塾、無料学習支援教室ミンゼミ、中野よもぎ塾、つるかわ無料塾結い、(鎌ヶ谷みらい学習会=来年開始予定)
から24名の皆さんが来てくださいました(参加表明順)。
今回の団体発表は色んな視点、色んな形の無料塾があって、それぞれに個性があって面白いと感じました。
次に全体討議を通して、「講師の募集はどうしてますか?」「代表不在時の運営の仕方」など共通の課題について意見交換をしました。
最後に、「団体運営」「生徒指導」「無料塾の将来」などのテーマ別に分かれて話し合いました。
感想を書きます。
1、一番嬉しかったのは、「夕暮れ学級さつき」の代表乾さんが今年も来てくれたことです!!まだ高校2年生です。昨年高校生仲間と立ち上げ、月に2回、小学生の勉強を面倒みています。夕暮れ学級さつきさんの活動の報告を聞くにつけ、本当に勇気をもらいますし、立ち上げの時にアドバイスできて良かったと思います。
2、会場で熱心に話し合う姿を見て、「一円の得にもならないことのためにこんなに真剣に語り、悩み、行動している人がいる」と改めて感激しました。無料で子どもたちの学習支援をすることに大きな可能性があると信じて今日まで運営してきました。やはり原点は私の中高生時代の経験です。「結局何をするにもお金がかかって、うちのような貧乏人はどうしたらいいんだ」と葛藤する6年間でした。しかし、こうして無料で応援しようと動く人がこんなにいるわけですから、当時の自分が知ったら勇気をもらえたと思います。
今回はある方が「匿名かつ場所の公表をしない」ことを条件に、会議室の無料提供をしてくださいました。この場をお借りして、深くお礼を申しあげたいと思います。
また、今回の開催にかかった経費は、八王子つばめ塾が拠出しました。全国の寄付者のみなさま、本当にありがとうございます。
これからも、無料塾を広める活動を通して子どもたちを応援していきたいと思います。
特定非営利活動法人八王子つばめ塾理事長 小宮位之
追記!! 大会の速記録を公開しました→第2回無料塾シンポジウム関東大会 速記録