理事長の私事にはなりますが、11月末から、地元八王子にある、東京薬科大学の非常勤講師になりました。
1ヶ月の間に13コマを集中して行う「総合系ゼミナール」の講師です。
私のテーマは「日本の社会保障制度と子どもの貧困」。
初回は3コマを使って、絶対的貧困と相対的貧困をテーマに「ウガンダの少年兵士」「レバノンにおけるパレスチナ難民キャンプ」「八王子つばめ塾の取り組み」を講義しました。
ウガンダとパレスチナ難民キャンプのことは、映像制作の仕事をしていた時に、実際に現地に行って、見聞きしたことを話しました。実はこのテーマをこんなにしっかり話すのは初めてなんです。
この三つのテーマを2時間10分、マイク無しでフルスロットルで話したので、かなり疲れました。でも、さすがに寝てる学生さんはいなかった(笑) 声がデカすぎて誰も寝れないと思います(笑)
感想を読むと、「ウガンダの少年が誘拐されて兵士にされるのを聞いて衝撃だった。」「パレスチナ難民キャンプでの生活の実態がわかって衝撃を受けた。」「日本にも相対的貧困があるということは聞いてはいたが、講義の中で具体的な話を聞いて、少し理解ができた。」「この授業を取らなければ、このような話を聞くことはなかったので、良かった。」などがありました。
また、「大学にこうして通えることに対し、両親に感謝したい。」や「こうして平和に暮らせるのがとても幸せなことだと感じた。」など、周りに対する感謝や、「私も自分のできることから、人の役に立つことをしたいと思った。」など、ボランティアに興味を持つ学生さんもいました。
これらの感想や思いを四六時中持つことは難しいことですが、「知っている」「知らない」ということは雲泥の差があると思っています。この講義が最初の一歩となって、今後の人生に少しでも役に立てばと思います。
最後に私の感想です。この頃、「無料塾」や「経済的困窮問題」の伝道師になってる気がします。貧困家庭に育った私としては当たり前の「現状」が多くの方にとっては「知らなかったこと」の場合が多く、私としてはやりがいを感じます。さらには、まだ固定概念を持つことが比較的少ない「若者(大学生)」に伝えられることは、非常に意義があると思っております。
まずは理解者を増やさなければならないと思うのです。人間は知らなければ簡単に「批判し、私には無関係だ」と思ってしまいます。しかし、少しでも知っていれば「確かにそういう一面はあるけど、でも違う面もあるよね。」と理解をするようになります。経済的な問題を、本人や政府や行政だけの問題にせず、自分たちの問題ととらえることこそが、困窮で苦しむ人たちへの「応援」になると信じています。
あと10コマ分は、グループごとに自分たちで社会保障制度について調べ、発表してもらうという学習になります。
理事長 小宮位之