この度、八王子つばめ塾は、高校生対象の新たな奨学金を創設し、運用を開始しました。
これは、高校生に毎月定額の奨学金を「支給」し、大学受験のための参考書代や、塾までの交通費などの充当してもらおうというものです。
今年は、初年度ということもあり、現塾生の高校3年生に限定し、毎月5000円を9月から半年間支給することにしました。
塾生の中から3人の応募があり、事務局長が面談し、成績、進路に対する意欲などを勘案し、3人全員を奨学生にすることを決定しました。
原則は「毎月支給」ではありますが、これから受験費用や入学手続き費用がかかること、さらに振り込み手数料のことを勘案し、今回に限り、一括3万円を振り込みました。

このように、経済的に厳しいご家庭の高校生を応援できること、すべて全国の寄付者のみなさま、応援くださるみなさまのおかげさまです。深く、深く感謝申し上げます。

高校生を応援できることは、私にとって感慨深いものがあります。我が家が経済的にどん底だったのが高校2年生のころでした。父は仕事がなく、3か月家にいるような状態で、年収にすると100万円でした。当然、大学進学には反対され、何とか許してもらったのもつかの間、4月になると、高校の学費が払えないので高校を辞めるようにと父に言われ、慌てて日本育英会から奨学金を借りて、卒業にこぎつけました。大学受験期には、「家に800円しかなく、次の給料が入るのが20日後」という状態の時もあり、あまりのことに、夜に家を飛び出したこともあります。(帰って来るまでの1時間の記憶がありません。)
しかし、私の場合は、母方の祖父母が受験代、入学費用、学費を全て出してくれました。祖父などは受験のために大好きなお酒を断ってくれ、願掛けをしてくれるほどでした。そういう援助のおかげで、今の私があります。とてもラッキーな家に生まれたのです。
応援してくれる誰かがいることが大事なことだと考え、つばめ塾は奨学金制度を運営しています。

今も、特に大学受験に関して、費用の面でご苦労されているご家庭も多く、聞くたびに私も頭を抱えます。つばめ塾の意味があるのだろうかと気が弱くなる日もあります。しかし、よく考えてみれば、6年前、何もなかったところから、私がたった一人で始めたつばめ塾がボランティア講師のみなさんのおかげで多くの生徒を受け入れられるだけの塾に成長しました。さらに、経済的な援助ができる「奨学金制度」も創設することができ、昨年度は総額で200万円を支給することができました。6年前、想像もしなかったことが実現しています。

なので、これからも決して諦めず、一歩一歩粘り強く取り組んでいこうと思います。
つばめ塾を応援してくださっている全てのみなさまに感謝をいたします。

事務局長 小宮位之