昨日は、多摩市に本部のある「慈有塾」さまの冬期講習に講師として参加してきました。私は専門の「世界史」を講義させてもらいました。
慈有塾さまは、若者の学び直しの為の塾です。経済的に苦しい方は、無料で勉強することができます。
今回は、高認試験の過去問を解きながら、必要な解説を加えましたが、2時間程度で全てを解説する訳にはいきません。ですので、「世紀」の数え方、年表の見方、現在の国の確認など、世界史を学ぶ上で、こうしたらいいということをアドバイスしました。あの分厚い世界史の教科書の全てを頭に入れることは不可能です。それよりも大まかに流れとポイントをつかむことが必要です。昨日の講義では、「中華思想」「イスラム教の開始」あたりは詳しくやりました。ここら辺が理解できると、朝貢貿易の意義や、イスラム史が理解でき、学習にはずみがつきます。
4人の生徒さんが真剣に聞いてくれました。中にはシングルマザーの方もいました。お子さんを育てながら「高認」の資格を取り、これからの人生を生きていこうという姿に、感銘を受けました。
と同時に、私の世界史の知識が人さまの役に立てたことが本当に嬉しく思いました。中でも高校で世界史を学んだ2年生〜3年生は、我が家が本当に貧しく、高校を辞めさせられそうになったり、大学進学への希望が簡単には叶わなかったりした時期でした。その2年間、世界史用語集を読みながら昼食をとったり、ひたすら世界史を勉強しました。貧困の記憶と世界史の勉強は自分の人生で重なる部分があります。その世界史の知識がこうして役に立つんだから、本当に有り難く、機会を下さる慈有塾さまには感謝しかありません。
経済的に苦しくても、希望が見いだせる世の中にするために、これからも努力を重ねていきたいと思っております。
理事長 小宮位之