今日は感想です。

今日はつばめ塾の事務室で高校生の女の子二人から話を聞きました。

両方とも母子家庭のお子さんです。
Aさんは、お母さんがご病気で、働けたり働けなかったり。
そんな中、Aさんは、朝に牛丼のお店、夕方からはガソリンスタンドで必死に働き、家にほとんどのお金を入れています。
修学旅行に8万円かかるみたいで、「そんな高い旅行に絶対行かない!!」と笑顔で言っていました。
大学進学を目指していますが、学生支援機構などの奨学金を利用するにしても、入学金や前期の授業料納入でまとまったお金がかかります。その話をすると、そんな大金、どうやって用意すればいいのかと悩んでしまいました。

Bさんもやはりお母さんが病気で働けず、家事全般を彼女が担っています。大学受験を控えて、病気のお母さんも気になるし、勉強もしなければならないし、家にお金はないし、頭の中がぐちゃぐちゃで、、、と苦しい胸の内を話してくれました。

二人に塾生奨学金の話をしました。二人とも喜んでくれ、交通費や模擬試験代をもらう分、しっかり勉強したいと言ってくれました。

いつもつばめ塾をものすごい勢いで運営している私ですが、今日ばかりは黙り込んでしまい、無言で塾を後にしました。
帰る道すがら、「人の境遇・運命というのは本当に何とも言えず、悲しいものがあるなあ」と何とも言葉に表現しずらい感じがずっとありました。こういう話を聞くと、山下達郎さんの「希望という名の光」という曲を思い出します。

運命に負けないで たった一度だけの人生を 何度でも 起き上がって 立ち向かえる力を送ろう

という歌詞です。子どもは親を選んで生まれることはできません。高校生くらいまでは親の状況に大きく左右されます。
何の心配もなく勉強できる子もいれば、バイトしたり、お金の心配をしたり、病気の心配をしながら勉強をする子がいます。
この差をどう考えればいいのか、、、もちろん考えても答えなんか出てきません。「運命」という一言で片づけるのが賢明なのかもしれない。でもつばめ塾はあくまでも「応援する」塾でありたい。小さな抵抗かもしれませんが、その子に運命に負けない力を送ってあげたいと思うのです。
そういう意味で、塾生奨学金を創設できたことは、つばめ塾最大の名誉であり、将来への希望です。
寄付をして下さった方、いつも熱心に指導してくださるボランティア講師の皆様に、深く感謝する次第です。

事務局長 小宮位之