先日、法政大学の教職課程の2つの授業で、1コマずつ頂き、教育格差の話をして参りました。
今回は、夏に出たドキュメンタリー番組「日本のチカラ」も全て見てもらえる時間がありました。
教職課程での無料塾の話は、とても大事だと感じております。
①第一に、将来「教員」になる人に、無料塾の存在自体を知ってもらうこと。授業の初めに「無料塾の存在を知っていた人!!」と聞いてみましたが、10%以下でした。一方で「子ども食堂」は9割以上の人が知っているわけです。まず、知ってもらわなければ、ボランティアも支援もありません。
②第二に、教員自体が、ある一定の経済力がなければなれない職業になりつつあるからです。戦前の師範学校などでは学費がかからずに教員になることができたので、優秀な人材が集まりました。また、経済的に困難な家庭から教員になることも、「経費」的な面では十分可能でした。しかし今では文系学部でも年間平均94万円の学費が必要であり、経済的に困難な家庭から、そう簡単に教員になることはできなくなりつつあります。それは私が身をもって実感しています。そうすると、今や9人に1人と言われる「子どもの貧困」に対する知見が少ない教員が増え、そのサポートが十分に行われずに、また子どもたちが困難を抱える、というサイクルになりかねません。
私は、大学の教職課程には「経済的に困難な家庭」について学ぶことが必須だと考えています。
実際、授業後のアンケートには、「子どもの貧困ということは、本などでは学んでいたが、当事者の小宮さんや、番組でのつばめ塾卒業生のインタビューを見て、経済的に困難な家庭のことを初めて学ぶことができた。」などの感想が多く寄せられました。
また今回は、法政大学の4年生で、八王子つばめ塾でボランティア講師をしている藤井さんに、最後に10分間話してもらいました。自分がどうしてつばめ塾のボランティアを始めたのか、そしてボランティアをする際の葛藤を話してくれ、最後に「一緒にボランティアをやりませんか?」と語り掛けてくれました。
私は貧困の当事者ですから、「まあ、あなたはやるでしょうね」という目で見られますが、決して経済的には困難でない家庭の大学生がどうしてやっているのか、という視点は、大学生には必要ですからそこを補ってくれたと思います。
2回講演をしたのですが、藤井さんの1回目より2回目の講演が格段に良くなっていて、たった1回でスキルを向上させられる能力の高さに驚きました。私なんか、講演した後に、あれも話せばよかった、もっとこうすればよかったと反省の連続です(笑)
これからも講演を通して、無料塾を広めていきたいと思っております(^^♪
理事長 小宮位之