昨日の高校生クラスの「センター英語対策講座」を持ちまして、八王子つばめ塾の1年間は無事に終わりました。
多くの寄付者、支援者のみなさま、ボランティア講師のみなさまのおかげで、1年間運営できたことに深く感謝いたします。
この1年間、大きな進歩がありました。一番うれしかったのは、「卒業生が教えに戻ってきてくれた」ことに尽きます。しかしこれは、つばめ塾の目標達成の一部でしかありません。今は連絡をとっていない多くの卒業生が、高校や社会人として活躍してくれていると思っています。
この1年間の出来事を全部並べてもいいのですが、書ききれないので、今日あった一つの出来事を紹介して、1年間の締めにさせていただきます。
今日のお昼ごろ、お年賀を買いに駅前に行きました。そこでふと卒業生の顔を思い出しました。中学1年生の途中から卒業まで面倒みた子が駅前のお店でアルバイトしているのを覚えていたからです。たまにお店の前を通るのですが、店内にいるので、見かけるだけでなかなか話す機会はありませんでした。今日行ってみると、大晦日ということもあり、彼は店頭で大きな声をあげて売り子をしていました。
早速話しかけると、少し驚いていました。「高校がんばって行ってます。来年4月からここのお店で就職することになりました。すごくいい職場なんです。」と言っていました。高校1年生から早速アルバイトして、お店の雰囲気もわかるところに就職する。すごく良かったと思いました。仕事の邪魔をしてはいけないのでちょっとしか話せませんでしたが、会えて良かったです。
お年賀を買いに行く途中、涙が少しだけ出てきました。彼の中学生の時のほんの少しだったけど、応援できて良かったな~という気持ちと、もう大人っぽくなったその表情に、「人間の成長ってすごいな~」という気持ち。最後に「無料塾を作って本当に良かった」という気持ちです。
設立の日以来、なぜ無料塾を運営するのか?と自問自答の日々が続いています。日々疑問に思い、日々納得する。この繰り返しです。
しかし、大晦日に、この疑問に明確な答えを彼に示してもらえて、本当にありがたいな~と感じました。
私はボランティア講師を見ると、いつも「1円の得にもならないことのためにこんなに一生懸命でありがたいなあ」というのが口癖です。貧乏だった中高生時代、「結局世の中お金じゃないか!!」という感情が渦巻いていた私にとって、「お金を取らないで教える」ということは最高の価値をもつものです。世の中には、「無料で行うものにろくなものはない」などと言っている方もチラホラいますが、そんな事は一切気にせず、来年も「無料塾」を広げる活動に全力で取り組んでいきたいと決意を新たにしました。
来年は、現在実施している奨学金制度の改革に取り組んでいこうと思っています。
日々ご尽力くださるボランティア講師の方、物資や資金をご寄付くださる支援者の方とともに、経済的に苦しいご家庭の中高生をコツコツと応援していこうと思います。
2018年、ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
特定非営利活動法人八王子つばめ塾理事長兼事務局長 小宮位之