ご報告が遅れましたが、16日(金)の夜に、韓国公営KBSテレビの「明見萬里」という番組の中で、八王子つばめ塾の取り組みが2分ほど紹介されました。テーマは、「教育格差」についてです。
これは、その問題の専門家がスタジオで、観客に語りかけるスタイルで、日本ではあんまり見られないタイプの番組ですね。

2月の取材時には、光州科学技術院という大学の金准教授も同行して来ておられました。この方が今回立たれてこの問題を論じたのです。
韓国でも教育格差が激しいみたいです。韓国では、経済的に厳しい家庭は借金してまで、塾なり家庭教師に習わせるみたいで、大学を出ても就職が芳しくなければ、借金がまるまる残ってしまうそうです。日本の場合は、どちらかというと、塾に行かせないパターンが多いので、無料塾が必要とされているわけです。

今回は、「はちおうじ子ども食堂」さんがいつもおにぎりを作ってくれるところも取材してもらいました。月曜日に取材がありましたので、「アミダステーション」での教室と、「スーヴニールの森」での北野教室の様子が写っています。ちなみに、韓国につばめ塾を作ったわけではないので、誤解しないようにお願いします!!(笑)

私のインタビューは、つばめ塾の説明の部分と、「このまま行ったら日本は大きく二極化するのではないか。そうすると、日本の国力が地盤沈下するのではないか。」という部分が使われていました。
そもそもの私の持論はこうです。いつの時代も、勉強が苦手だったり、不得意な子どもというのはいます。昔ならば、第一次産業が多く、かつ自営業の家業を継ぐ割合が高かったので、学歴がなくても、一生懸命働けば、それなりに暮らしていけました。ましてや高度経済成長期であれば、景気がいいわけですから仕事が日本中にあったわけです。
ところが、経済が停滞し、かつ自営業の割合が減って、会社からサラリーをもらう人が増えている現代、親が子に残せるものは、「教育」しかありません。例えば、農業や文房具屋さんが家業なら、そのノウハウを子どもに伝えることができます。しかし、サラリーマンでは、自分の子どもが自分の会社に入るケースは稀ですから、自分が得たノウハウを子どもに伝えることは非常に難しい。そうなると、どの会社に行っても通用する「高卒」や「大卒」などの学歴や教育を施すことしかできません。すると、昔なら「僕は中卒で十分。働くよ。」というタイプの生徒でも、無理やりにでも高校に行かなければならなくなります。特に都市部では、高校や大学に行く「進学」の競争が激しくなっていきます。競争が激しくなれば、お金をかけてでも、、、という家庭が増えます。一方、経済的に苦しいご家庭では、塾にそこまでお金をかけられないという現象が起きてきます。このまま進んだら、お金をかけて、人材として育てられた若者と、フォローをされず、そのまま放っておかれた若者の差がどんどん出てきてしまいます。それで二極化するのではないかと私は危惧をしています。なのでつばめ塾としては、単に教科を教えるのみならず、励まして、フォローすることが大切だと考えています。

これからも頑張っていきたいと思っております。

特定非営利活動法人八王子つばめ塾理事長 小宮位之