私事になりますが、このたび、日本育英会(現日本学生支援機構)から借りた奨学金を返し終わりました!!
高校3年生の時、父親から「もう高校行かせるお金がないから、高校行くのやめろ」と言われた翌日に担任に相談し、都立高校の月1万1千円の学費を払う為に奨学金を借りました。
大学の時は、自宅生4万7千円(無利子)を4年間借りました。ただ、学費そのものは、祖父母が出してくれたので、学費の心配をしなくて済んだのは、本当に有難かったことです。
当時は、卒業後、常勤以上の教員になれば返済免除という条件があったので、2年間待ってもらいましたが、当時は就職氷河期で正教員になれず、、、24歳から返しはじめ、40歳になる手前の先月、やっと返し終わりました。毎月12533円ずつです。
決して高い金額ではありませんが、負担であることは確かです。

高等教育の無償化の議論が続いています。これについて、八王子つばめ塾の公式見解というものは出していません。ただ、経済的に苦しい家庭の子どもたちが不利にならないようにしてもらいたい。それだけは切に願っています。個人的には、全て無償化して、1円も払わなくていいとは思っていませんが、「お金が無くて入学することすらできない」ということの無いようにしてもらいたいです。

目下、問題だと思うのは、大学入学時の準備金に関してです。私が大学に進学したころは、入学金を払えば待ってもらえて、第一志望の大学に落ちれば、その大学に授業料を払い込めば良かったのですが、今は、合格時に「入学金+前期授業料」を払わないと、待ってもらえない大学も多いのです。(ただ、その大学に入学しなければ前期の授業料は返ってきますが、4月以降になります。)
単純化して計算すると、入学金25万円、授業料80万円の半分=40万円となり、「65万円」を最低用意しなければなりません。さらに、一つ入学を留保するたびに65万円を用意しなければならないので、普通で考えたら130万円は手元に置いておかないと私立大学の受験はできないということです。(のちに1校分は40万円は返ってきますが、一時に多額の現金を用意するというのが厳しいのです。)
世間の人は、「金がないなら、国立大学に行け!!」と言いますが、今、国立大学に行けるのは、小さい時から教育資源をかけてもらった家庭がほとんどです。そうでない、経済的に厳しい家庭のお子さんは国立大学に行くのは、本当に難しいです。そうなると私立大はいくつも受けられるので入りやすいのですが、準備金がかかります。ここを何とかしなければ、、、と思っていますが、お金のことは妙案がすぐに浮かぶはずもなく、、、とりあえず学習支援をしている現状です。
この記事をお読みになって、「なるほど、経済的に苦しいということは、こういう側面もあるんだな」とぜひご認識頂ければと思います。

事務局長 小宮位之