昨年4月に既に表明していた「つばめ塾奨学金」の運用を今年の4月から開始しました!!
「給付型奨学金」を開始できたこと、民間団体として本当に誇りに思います。

奨学金には2タイプあります。
一つは「高校頑張ろう奨学金」で、中学卒業時につばめ塾に在籍していた生徒で、高校入学時に教科書代を最大1万円、1回給付するものです。(希望者のみ)

入学時には制服代なども含めて多額の現金が必要となります。そこを応援していこうというものです。今年は10人が利用してくれました。
もう一つは大学生への奨学金で、「ひとり親家庭、生活保護家庭、児童養護施設のいずれか出身の大学生」に対して最大月2万円を給付します。(最大4年間)
今年は1人応募があり、理事と一緒に面接をして、審査の結果、その人に奨学金を支給する事に決定しました。その人は、つばめ塾の講師として、積極的に教えに来てくれています。(もちろん、つばめ塾の講師をやる事が絶対的な条件ではありません。)

奨学金の道のりは平坦なものではありませんでした。
母子家庭の方のお話を伺うと、「高校はなんとかなっても、専門学校や大学へはとてもお金を出せないので、自分で稼いで行ってもらうしかない」という声がよく出ました。
そこは何とかしなければと2014年に給付型奨学金の創設を決意。しかし財源の目処が全く立たず、当時の杉浦理事に「理事長、今の寄付金では、月1万円として、年間12万円を確保できませんが、、、」と言われ、「せっかく創設した奨学金をつぶす訳にはいかないから、参考書を買う予算などは減らしてでも、奨学金は確保して下さい」とお話して、予算建てをしてもらいました。
その頃、母子家庭出身で、うちで一生懸命にやってくれていた講師に、「月1万円という額はどう?」と尋ねた所、「小宮先生、確かに給付は嬉しいですが、講師をやりながらだと、週に1回参加したとして、1回2500円。よっぽど時給のいいバイトをした方がいいんですよ。だから月2万円ならいいと思います。」と言われ、「わかりました。寄付金が増えたら、なんとか月2万円を出せるようにしましょう!」と答えました。が、そんな額を出すのは何年後のことになるやら、、、と思っていました。
しかし、昨年8月4日付けの読売新聞に紹介された後、徐々に寄付金が集まり始め、何とか資金の目処が立ちました!!寄付者の皆さん、本当にありがとうございます。

次の時代を担う人材は「自らが苦労を経験した人」の中から出るとつばめ塾では考えています。幼い頃から経済的に、また家族関係の中で苦労した人は、既にそういう「経験」をした人です。こういう人こそ、これからの社会に必要な人材であると確信しています。ただ、教育をしなければ人材にはなりません。そこを「無料学習指導」や「奨学金」を通して応援していこうというのがつばめ塾の趣旨なのです。これからも応援宜しくお願いします!!

特定非営利活動法人八王子つばめ塾理事長 小宮位之