理事長の小宮です。いつもつばめ塾への応援、ありがとうございます。

今日、12月1日付で『「無料塾」という生き方 教えているのは希望。』が発売されます。

今回、出版にご尽力くださったソシム株式会社の編集者の内藤さんがつばめ塾にいらして、「本を出しませんか?」と言われた時、
「生き方の本なら書きたいです。無料塾の立ち上げの仕方などは本にしても仕方ありません。本屋さんに「どうしたら楽して儲かるか」とかいう、つまらない本がうず高く積まれている時代に、自分のことをちょっと脇に置いて、子どもたちのために尽力するという生き方の本が必要だと思うのです」と申し上げました。これは書き終えた今も、全く変わっていません。

今の時代に必要なのは、自分がいかに贅沢できるかを追い求めるのではなく、どうやってみんなと分かち合う社会を構成するか、という考え方です。このことを日本全体で考えないと、格差は広がる一方になります。

教育格差について、私が常につぶやいているのは、「原因はわかった。対策もわかった。あとは誰が本気でやるかだ。」という言葉です。これを政府が莫大な資金を投じてやるのではなく、ボランティアを通じて実現しようというのがつばめ塾の根幹です。

そして、この本について、いくつかみなさまにお伝えしておきたいことがあります。

①無料塾の全てがわかる本ではありません!!
この本は240ページもありますが、無料塾の全てを言い尽くしてはいません。原稿から校正する段階で、何十頁も削らざるを得ませんでした。ということで、もし無料塾の全てを知りたい方は、話を聞きに来てください!!(笑)

②よく言えば「バランスが良い」、悪く言えば「中途半端な本」です。
最初は「想い」と「生き方」だけを書こうと思ったのですが、それだけだと独りよがりな本になってしまうので、塾のことや教育のこともいろいろ書きました。だから、無料塾のことを全般知りたいという方、無料塾って何?という方には最適な本です。もし、無料塾の奥深さを知りたい方は、話を聞きに来てください!!(笑)

③基本は「生き方」の本です。
無料塾の作り方などの方法論は、すぐに陳腐化します。げんに、コロナ前とコロナ後では、運営方法やリスクに対する考え方が大きく変化しています。だから、生徒や講師の人数のことなど「現状」に関することは極力書いていません。それを知りたい方は、お問い合わせいただくか、HPをご覧ください。
無料塾を立ち上げる、その精神、その根幹を書きたかったのです。2012年に無料塾を立ち上げた時の気持ちは変化することはありません。このブログに何回も書いてますが、無料塾という存在を初めて知った時の感動、感激、これは一生変わることはありません。だから、無料塾を運営する生き方とはどういうことなのかを書きました。

④「動詞」が抜けている本です。
本来なら、「無料塾」と「生き方」の間に、「運営する」などの動詞が入らなければ日本語して成り立ちません。でも私にとって、無料塾とは運営する対象物ではありません。私の人生そのものです。命をかけてはいませんし、家族も捨てていませんが、人生はかけています。初めて無料塾に出会ったあの日。「これこそ私が求めていた最高のボランティアだ!!」と心の底から感動したあの瞬間から、人生の全てを無料塾に捧げており、そのことを「題名」に込めました。今なお全く飽きることなく、没頭していられることは本当に幸せなことです。

⑤分類に困る本です。
自己啓発本でもないし、社会問題だけを扱った本でもないし、教育だけの本でもないし、NPOだけの本でもありません。あえて言うなら、「ボランティア活動をみんなでしていきましょう」という本なので、書棚では分類に困りますね。

 

とにかく、読んだ後に、「いい本だったけど、ちょっぴり物足りないな」と思う本に仕上がっています。なぜ物足りなく思うか。答えは簡単です。私という人間は、書くより話す方が得意だからです。私が話したら、この本を読むより3倍面白く話せます。というわけで、もっと知りたい方は話を聞きに来てください。

ではどうして本を出したのか。それは、この本に、無料塾への入口になってほしいからです。私が24時間、365日講演会を開くわけにはいきません。でも本があれば、いつでも手に取ってもらえ、無料塾に興味を持ってもらえます。その方のペースで読んでもらえます。その後、「つばめ塾に話を聞きに行こうかな」「近所に無料塾はないかな」などと調べてもらえればありがたいと思います。

そういう目的で書きました。

ぜひ、お読み頂いて、周りの方にお勧め頂ければ幸いです。

認定特定非営利活動法人理事長 小宮位之