国の緊急事態宣言の解除を受けて、授業再開の準備をすすめて参りました。
そして、東京都の休業要請解除ステップ2を受けて、授業の再開を正式決定しました。
6月1日(月)から、会場が準備できた教室から再開いたします。
詳細は、塾生・講師に改めて連絡します。

さて、3月2日の全国一斉休校措置以来、授業を止めてきました。
3か月ぶりの再開に、本当に嬉しく思っています。

この3か月、毎日様々なことを感じました。一番痛感したのは、「家庭を出て学ぶこと」の大切さです。家庭にいれば、「保護者が家にいることが多く、兄弟が少なく、自分の部屋が与えられ、Wi-Fi環境があり、タブレットやPCを一人1台持っている」生徒さんと、「保護者が仕事で留守にすることが多く、兄弟が多く、自分の部屋がなく、Wi-Fi環境も悪く、タブレットやPCを一人1台持てない」生徒さんでは、環境が如実に出てきてしまいます。「学習への意欲が高ければ、克服できる」という方も中にはいますが、仮に意欲が同等であれば、環境で大きな差が出てきてしまいます。学校で学ぶことは、こうした家庭環境の差をなくすことです。教室の中であれば、学ぶ機会が平等に与えられます。当たり前と思っていたことが当たり前で無かったのです。今回初めてわかりました。

また、私自身の心にも問うてみました。感謝の気持ちが薄れていなかったかと。ボランティア講師、寄付者、支援者の感謝はもちろん、一番心に浮かんだのは、「無料塾が運営できること自体への感謝」です。設立から7年半が経ち、「無料塾は自分が運営している」という謙虚の無さ、「このままやっていれば問題なく何十年も運営できる」という奢りが心の中にあったことは否定できません。
塾再開に向けて動き出す中で、「無料塾をまた始められるんだ!!」という喜び、有難さが心の底から湧き起こってきました。無料で生徒が勉強できるという「最高の価値」を求めて運営してきましたが、その初心が薄れていた自分でした。
最初の生徒から申し込みがあった日の有難さ、最初のボランティア講師から連絡があってスマホを持って布団から飛び起きた時の喜び。このような「幸せ」の中から始まったのに、運営がいつしか当たり前のことになってしまっていました。

今回のことで、無料塾を運営できるということは本当に有難いことなんだとしみじみわかりました。この反省を自分の心の内に留めず、これから精一杯運営を行うことで、恩返しをしたいと思っております。

事務局長 小宮位之