8月17日のイベント「無料塾×ぶらっくさむらい」のご報告です。

詳しくは、中野よもぎ塾さまのブログを見て頂くのが一番いいと思います。
http://ameblo.jp/nakanoyomogi/entry-11911732816.html
http://ameblo.jp/nakanoyomogi/entry-11912308674.html

さて、私がさせて頂いた、イベントの冒頭の「無料塾、非営利塾とは?」というお話の要旨を以下に掲載させていただきます。
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image-5八王子つばめ塾事務局長の小宮です。

無料塾とは、生徒から授業料を一切取らないで運営する学習塾です。非営利塾とは、教授する代金は取らないけれども、施設の維持費や光熱費は生徒で分担して払う、という塾の形態のことです。

ではどうしてこのような無料塾が必要なのでしょうか?それは子ども達を取り巻く環境が挙げられます。今中学3年生の通塾率を知っていますか?70%です。これを分析すると、残りの10%は自分の志望校に対して十分な学力を有している子。あとの5%は、そもそも勉強を諦めている子。あとの15%は何かと言うと、塾に行きたくても行けない子です。

では現在の塾代というのはどれくらいかかるのでしょう。それは一ヶ月1教科2万円から3万円くらいです。(もちろん塾によって違いはあります。)でも、1教科だけ出来ないという子がいるでしょうか?学校のテストが英語だけ20点、あとの教科は80点取れる子。私の経験上はいません。英語が20点の子は、数学も30点くらいです。そうすると、最低塾に4万〜5万円支払う事になります。こうなってくると、親の経済力が子どもの学力に直結してくるのです。ましてや児童養護施設など、親の庇護を受けられない子どもは、貧困に直結する事態になるのです。こういう事態をなんとか避けなければならない。こういう思いで私たちは立ち上がっているのです。

けれども、だからといって、対象の生徒が「貧しい」から学習支援をしているのではありません。今日集まっている4団体のスタッフはそんな気持ちを持ったことすら無いと思います。それは、無料塾で学ぶ生徒が「ダイヤの原石」であり、当然育てられるべき「人材」であるから支援をしてるのです。今ここに「磨いたらダイヤになるよ」という石を手にして磨かない人はいないのと全く同じです。ではどうしてこの子達が「ダイヤの原石」と分かるのでしょうか?それは、良い経験をしているのがわかるからです。共働きの両親を持つ子は、両親が一生懸命働いているのを知っています。ひとり親家庭の子は、お父さん、若しくはお母さんが苦労して自分を育ててくれているのを知っています。児童養護施設で育つ子は、自分自身が苦労しているわけです。ではその経験は何に結びつくのでしょうか?それは他者への共感力につながります。思いやりにつながります。困っている人を見れば「自分も苦労した。だから手を差し伸べよう」という気持ちになるのです。

私もとても貧しい家庭に育ちました。年収が150万円程度の家庭でした。学費が払えず、高校を中退しそうになったり、家にお金がないことを受け止めきれずに家を突然飛び出したこともあります。しかしその経験が無料塾を始めるきっかけを作るのです。国分寺の一粒の麦さまのHPを見た時に「ボランティアで勉強を教えるなんて、なんて素晴らしい人たちがいるんだろう」とものすごく感激したことや、義母が所有する池田ビルから学生寮が撤退し、机と椅子が置いてあるのを見て、「これなら無料塾を作れる!!」と思いついたのも、全て「経験」が無ければ出て来ないことなのです。
そういう意味で「良い経験」をしているこの子達が勉強につまずいて、それが元で高校進学を諦めたり、希望の高校に行けない。こういうことがあってはならないと考えているのです。

私たちは原石を磨くお手伝いをしているだけなんです。こういう学習支援の輪がさらに広がることを願っております。今日ここにお集りの皆様も、どうぞ支援に参加してください。宜しくお願いします。