子どもの貧困と学習支援フォーラムに参加しました

11月16日、午後から立川で開催された「子どもの貧困と学習支援フォーラム」に事務局長が参加して参りました。
華頂短期大学の流石智子教授の基調講演のあと、意見交換会にて前に出て、活動紹介をさせて頂きました。本当は「3分」でしたが、私の悪い癖で、話し始めると止まらず、「8分」喋っていました。ごめんないさい!!
なにせ、こういう活動に興味がある方々が熱心に聞いて下さるのでつい熱が入ってしまいました、、、
みなさんが一番驚かれていたのが、「講師55名、交通費謝礼一切無し、遠くは横浜や埼玉から」という部分で、どよめきが起こりました。私が始めた塾ではありますが、これはひとえに子ども達のことを真剣に考えて日々勉強を教えて下さっているボランティア講師の方のおかげさまです。

tubame03以下、発言の要旨を載せておきます。

(つばめ塾の基礎的な項目を話した後)今日は流石先生の基調講演にもありましたように、ひとり親家庭、とくに母子家庭のことを少しお話したいですが、
ある母子家庭で中学生の子どもが「お母さん、塾に行きたい」という。お母さんは考え込みます。今の生活でもギリギリなのに、塾に月に2万〜3万出すのは無理。そうするとお母さんは労働時間を長くするか、諦めさせるかないんです。学習が伸びるには、親子のコミュニケーションが欠かせません。「今日は漢字の小テストあったんでしょう?」とか「英語の単語テストはできた?」とか細かく気にしてあげてコミュニケーションを取ると成績は上がる可能性が高い。でも労働時間を長くして、塾代を捻出して「肝心なコミュニケーション時間」を削っているんです。これでは本末転倒です。僕たちが、勉強を面倒みますから、余計な「月2万から3万」を稼がなくてもいいか、稼いだとしたら将来の貯金にするかして欲しい。そういう思いで活動しています。
あと、外国にルーツを持つ親も少なからずいて、つばめ塾の例だと、両親が離婚をし、母親に引き取られたが、フィリピン出身なので、母自身が日本語の読み書きがほとんどできずに困っている。その子は中学生だが、小学生並みの学力しか無い。こういう点に懸念を持っています。
こういう課題意識を持ちながら、多くのボランティア講師の方々と共に子どもたちの教育に力を注いでいます。

以上です。閉会した後、どうやって運営しているのか?など、6名くらいの方が熱心に聞きに来て下さいました。嬉しいことですね。

中野よもぎ塾の大西代表とも席が隣で、心強かったです。
また無料塾イベントをやりましょう〜と話が出ました。

事務局長 小宮位之

ガザへの寄付

事務局長の小宮です。
今日でつばめ塾の夏期講習(任意参加)は終わりました。
合計22日間、参加した生徒は31名、合計で791時間の勉強をやり遂げました。

夏期講習の期間中、国際問題の最大のものは、やはりイスラエルによるガザ地区への侵攻だと思います。
ニュースを見ていて常々、「僕たちは勉強だけしていればいいのか?」という疑問がわいてきます。
もちろん今の私たちには学習が必要です。でもそれだけに終始していてはならないと思うのです。
そこで今回、つばめ塾の生徒が夏期講習で勉強して頑張った「1時間につき10円」をイスラエルのガザに、私が「私個人のお金」寄付する事に決めました。塾のお金ではありません。(7910円=77ドル)

私が以前、映像制作の仕事をしていた時に、レバノンにあるパレスチナ難民キャンプを取材したことがあります。
そこで、パレスチナ難民を救済する国連機関「UNRWA(アンルワ)」も取材しました。
パレスチナ難民のことをここで述べることはできませんが、私にとって視野を広げる貴重な経験になりました。
紛争は片方だけで発生することはありません。イスラエル側、パレスチナ側双方に問題があるのは確かです。
しかし、被害はパレスチナ側のほうが甚大です。そこで、私が以前接したことのある「UNRWA」に寄付する事にしました。

日本は世界の平和に貢献する力のある国だと思っています。けれども現在「子どもの貧困率」は過去最悪になり、国力の低下が著しいと思います。国力の向上は、トップを上げるより、ボトムのレベルを上げることが一番大事だと信じて今日までつばめ塾を運営して参りました。
塾の生徒が少しでも世界に目を向け、将来「人のために役立つ人になりたい」と思ってもらえるよう、生徒の頑張りに比例させ、クレジットカードにて寄付をしました。
今後は、私がパレスチナ難民キャンプで見てきたことを生徒に分けていければと思っています。

八王子つばめ塾事務局長 小宮位之

 

情報の売買について

現在、ベネッセからの個人情報流出が大きな問題になっております。
さらに、塾などが名簿業者から情報を購入するというケースもあるようです。
ここで、つばめ塾は「このような名簿の購入は一切しておりません。」と、宣言いたします。

まず第一に、生徒が増えても金銭的に何のメリットもないからです。生徒が頑張ってくれたというボランティア側の喜びは増えますが、金銭的に得する事など何もありません。
第二に、生徒が次から次へと入塾するので、勧誘する必要がありません。むしろこれ以上一気に増えたら、授業が追いつきません。

以上の理由により、名簿を購入する必要性が全くありません。

あと、つばめ塾に登録した生徒や講師の情報ですが、データベースにすらなっておりません。(笑)
紙で管理されており、事務局長が事務室を離れる時には必ず施錠しております。
今、生徒講師合わせて100人くらいですが、1件10円で情報を売れたとして、1000円程度です。
たったこれだけのお金を得て、塾の評判を落としたら、なんの為にボランティアをやっているのか、分け分からなくなります。
ですので、情報を売ることは、現実的には考えにくいです。
ただ、塾全体として、個人情報の取り扱いには十分注意していきたいと考えております。

事務局長 小宮位之

寄付を頂きました!!

この4月まで講師を一生懸命して下さったWさんから、昨日、まとまった寄付を頂きました。
Wさんは、ご自身が経済的に苦労するご家庭に育って、県の奨学金をもらいながら勉学して大学に合格、上京しました。
そして、就職活動が終わった時から、つばめ塾に来て、毎週一生懸命に指導をして下さいました。

講師面接の時の受け答えが印象に残っています。
「どうしてこのボランティアを?」「自分も経済的に苦労して育ったので、就職が内定もらえた今、この後の期間は経済的に大変な後輩達を応援しようと思って応募しました。」
「バイトは何曜日とかありますか?」「いや、つばめ塾の曜日が決まってからバイトの曜日を決めようと思います。」
このようなやり取りに感動しました。内定が決まったら、遊びまくってもいいし、バイトしてお金貯めまくっても、誰にも文句言われないはずです。
その中でもつばめ塾の授業を最優先にしてくれ、一生懸命教えている姿を見ると、「こんないい大学生がいるなんて、世の中捨てたもんじゃないなあ」と心動かされるものです。

Wさんが大学卒業する時に、「子ども達のために、コピー機と、各部屋に時計を置いてほしい」と言っていました。
コピー機は既に購入したので、今回のご寄付で、壁時計を買おうと思います。
「自分が苦労した分、後輩を応援したい」という人材がつばめ塾の講師として在籍したことこそ、つばめ塾の誇りだと思います。

事務局長 小宮位之

ETV特集を見て・・・

土曜日の「ETV特集 本当は学びたい~貧困と向き合う学習支援の現場から~」を見ました。皆さんご覧になりましたでしょうか?
私はとても感動しました。若者に学習支援や、居場所づくりをされている団体が取り上げられていました。
つばめ塾も似たような支援を行っていますから、大いに共感した部分が二つあります。

NPO「さいたまユースサポートネット」では、国の補助金をもらっていないそうです。それは、生活保護家庭に限定せず、支援を必要としている若者に広げたいからだそうです。
私共のような若輩が言うのもなんですが、「本物」だと思いました
もちろん、「生活保護家庭」に限定にすれば、資金が獲得しやすくなります。でもそれでは困っている若者に線を引く事になる。それはしたくないのだと思います。つばめ塾も「他の塾や家庭教師に習っていないこと」だけが条件です。生活保護家庭も、ひとり親家庭も、共働き家庭も、塾に行く費用が出せなくて困っていることには変わりありません。線を引くべきでない、本当にそう思います。

もう一つは、不登校の子に高校入試の面接練習をしてあげている時のワンシーンです。「君が中学時代に一番一生懸命やってきたことは何ですか?」「・・・・・・。」
最初は答えられないのです。でも本番ではかなり聞かれる確率が高い質問です。
つばめ塾でも生徒に面接練習しましたが、全く同じ光景でした。不登校の子に「中学時代に一番一生懸命やってきたこと」なんかないんですよ!!
もちろんその子に答え方を、色々アドバイスするんですが、つばめ塾をやっていて、ふと立ち止まる瞬間なんですね。その時が。
自分自身の中学時代の思い出は沢山あります。それに比べるとこの子はほとんどいい思い出なんかないんだ。心の中の「思い出スペース」にはほとんど何も描かれてないんだ。そう思うとつばめ塾裏の浅川の土手で夕陽を見ながらぽつんと一人で座っている気分です。
でもだからこそ、そういう子が高校合格した時はものすごく嬉しいし、頑張って学校行っていると聞いた時は「つばめ塾やって良かった!!」と嬉しいものです。まあ「無料塾冥利に尽きる」ってもんですね。

是非再放送見て下さい。
Eテレ 6月21日(土)午前0時00分~(金曜深夜)です。

事務局長 小宮でした。

非公式ブログ

事務局の私が、「八王子つばめ塾の非公式ブログ」を始めました。
主につばめ塾運営の基本的な考え方や、思想的なバックグランドや、将来構想(妄想)について書いています。
このHP上で書くと、塾の正式な意見や表明になってしまう恐れがあるため、事務局長が個人的に書いています。
特に「無料塾を立ち上げようとしている方」や「なんで無料塾なんて必要なんだよ!!」という方にお薦めのブログです。
http://ameblo.jp/komijii1219/

お時間ありましたらどうぞ。
事務局長 小宮位之

ご協力下さる方!!

八王子つばめ塾に、講師以外で協力下さる方が現れました。
常山剛さんです。つばめ塾のHPのリニューアル等を色々やって下さっています。
常山さんは、ライターとしてご活躍で、猫好きにはたまらない、あの有名な「猫ジャーナル」も主宰されています。
猫好きな方は是非のぞいて見て下さいね!!
http://nekojournal.net

常山さんとお呼びしていますが、大学時代の同期で、同じサークルの友人です。
歴史研究サークルでしたので、昼休みはほぼ毎日教室にあつまって、古文書を読んだ仲です。
(ちなみに私は古文書読むの苦手でした 笑 )

卒業してもこうして交流が持てて、協力して下さることが本当に有り難いです。
少しずつリニューアルをしていきます。

事務局長 小宮

 

嬉しい!!を力に。

嬉しいことがありました。
先日、この春高校に進学した卒業生が遊びにきてくれました。
その生徒曰く、「高校に入って、友人が出来て、勉強が出来るようになったので嬉しい!!」とのことでした。塾にいる時は、なかなか勉強が進まず、苦労しました。が、ちょっぴり成長した現在の姿を見ると、つばめ塾を立ち上げて本当に良かったと感じます。

「嬉しい」の気持ちに勝るものは無いと思います。
「勉強ができるようになって嬉しい」という気持ちを、「家にお金が有るか無いか」に関わらず、みんなの「善意」によって実感してもらいたいと思っています。
事務局長 小宮

 

報告出来ず、、、

更新ご無沙汰しておりました。事務局長の小宮です。
近隣の無料塾もだいぶ増えてきました。嬉しい限りです。いろんな無料塾の活動報告をブログ等で見ますが、常に更新していて素晴らしいです。
つばめ塾ももっと更新したいのですが、、、色々情報がありすぎて、なかなか更新できずにいます。まず、授業が毎日あります。月曜日から日曜日まで必ず誰かしら先生が来て、生徒がいます。なのでいつの報告をして良いやら迷っているうちに次の話題が出現します(笑)

今は中間考査に向けて頑張ってみんな勉強しているところですね。

あとは、お客さんが凄く多いです。先日はNPO法人キズキの三田村さまがわざわざおいで下さり、いろいろお話させて頂きました。
今月末にも、岐阜の方から無料塾を立ち上げたいという方が2日間見学と意見交換にお見えになります。
この頃、ほとんど授業してないです。入塾希望者の面接、講師希望者の説明会、塾へのお客さまと会う時間でほとんど埋まってます。
塾を立ち上げて初めて授業を行った「2012年9月7日」には全く想像もしていない規模になりました。あの時は講師は私一人、生徒も一人だったのですから。
初めての入塾希望のメールをもらった時の「これで念願の無料塾が開ける!!」と思った感動と、講師希望のメールを初めてもらった時の「自分の思いに共感してくれる人がいた!!」という感動を、いつまでも忘れないようにしていきたいです。

以上、事務局長のつぶやきでした!!

1年を振り返って

年度末が近づいています。この一年を振り返ると大きな進展がありました。
それは、高校に合格した、今年の卒業生の言葉に凝縮されています。

「高校に行ったら、一生懸命勉強して、大学に行きたい。そしたらまたつばめ塾に戻って来て後輩達に教えてあげたい。」

「私が行く高校の面接なら任せて。私が色々後輩に教えてあげるよ。」

「高校に行ったら勉強して、将来調理師の免許をとりたい。あと、お年寄りが好きだから、老人ホームとかでボランティアをしたい。」

こんな嬉しい声が聞こえてきました。
大事な点は二つあります。一つは進路に希望が見えてきたこと。
もう一つは、「他の人」に意識が向くようになったことです。
誰でも放っておけば、「自分さえ良ければよい。お金さえあれば良い」という考え方に傾きます。しかし、自分の生き方に希望が見えてきたことで、「自分さえ良ければいい」という意識から脱却できたということです。
それは、本当に時間と手間を惜しまず、一生懸命に教えた講師の方の努力が大いに実ったということができるでしょう。

もちろん、社会を良くするために、ボランティアでなくてもできることは沢山あります。仕事を通じてでも出来るし、笑顔を見せるだけでも世の中は良くなると思います。
しかしながら、100%ボランティアで成り立っているつばめ塾の卒業生が、「人に対するボランティア精神」を持つようになったということは、大きな成果を収めたと言えるのではないでしょうか。

最後に、つばめ塾の大学生講師の言葉を、これからも続くつばめ塾の指針として載せたいと思います。

「無料塾の講師をやっていると友人に言うと、バイトで塾講師やった方が良くね?とか、そんなことやったって世の中変わんねーよ!とか言われますけど、僕はこういう無料塾で少しでも世の中が変わると信じているので。」

こういう人材がつばめ塾にいるということが、塾の最大の誇りだと思っています。

事務局長 小宮位之