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つばめ塾ができるまで(後編)

杉浦:前回は、つばめ塾ができるきっかけを伺いました。今回は、始まるところからですね!

小宮:始めると決意したときに、最初に塾の名前をどうするか考えました。でも30秒しかかからなかったんです。

杉浦:たったの30秒ですか??

小宮:なんか降りて来たんでしょうね(笑)。
由来は「なぜつばめ塾か」というページに書いてあるのですが、つばめは巣立つとまた日本にある巣に戻ってきます。そのボランティアで成り立っている「巣」に戻って来てほしいという思いからつけました。今から思えばこのページの文章、われながら「名文」だと思うんですよ(笑)。

杉浦:自分で言ってしまうと、価値が下がるような…(笑)。

小宮:確かに、文章のうまい、下手で言ったら、駄文だと思いますよ。でも生徒が一人もいない、講師も私一人だけだったときに、よくこれだけの宣言ができたなと思うんです。今となれば、4教室、生徒50名、講師50名を超える規模になりましたから、いろいろ言えるのですが、当時は誰にも相手もされず、そんな状態でよく自信もって書けたなと思うんです。そういう意味でですね。

杉浦:なるほど!最初は本当に一人だったんですね。

小宮:はい。自分の少ない小遣いの中から、妻に五千円札を渡したんです。「何これ?」と言うので、「今日、つばめ塾としてWebサイトを開設するのに、ドメインとサーバーを契約したんだ。わが家のクレジットカードで引き落としたから。わが家の家計に迷惑かけるわけにいかないので、小遣いから出します」と。そしてWebなどに何の知識もない自分が、こうして完全に手作り、手探りの状態で始めたのがつばめ塾なんです。

Webサイトで(2012年の)「9月から始めます。」と宣言したものの、初めての生徒は、ギリギリの8月27日にメールが来たんです。そのときのうれしさというのは、とても言葉では表しきれないものです。「これで無料塾が開けるぞ!!」とガッツポーズして飛び上がったのを今でも忘れることができません。マンガのような場面ってあるものです(笑)。

杉浦:実際にはいつから始まったんですか?

小宮:忘れもしない、2012年9月9日(日)です。夕方、私が山梨県で仕事を終え、急いで帰ってきて、最初は国語の授業をしました。それで「英語も教えてほしい」となって困ってしまったんです。

杉浦:小宮先生は英語ができませんものね。

小宮:そうなんです。「どうしたもんだろう」と思案していたところに、講師をやりたいと言ってくれる人がメールをくれたんです。このときも本当にうれしくて、布団から飛び起きましたね!!。「自分の思いが誰かに伝わった」という感激は人生でそう何回も味わえるものではないと思います。そして記念すべき講師第一号の先生が来てくれて、つばめ塾が始まったんです。

杉浦:こうして始まったんですね。では、今回の最後に、つばめ塾の理念をもう一度説明してください。

小宮:はい。つばめ塾はただ単に勉強ができればいいという、狭い範囲を目標としている塾ではありません。人材育成が目的です。「現実に生徒の学力を上げてあげて、世の中を立て直さなければならない」といつも考えています。世の中を立て直すとは何か、それは「自分もいつか人の役立つ人になりたい」という思いの人を育てるということです。つばめ塾にボランティアに来なくてもいいんです。サッカーが得意な人なら、子どもにサッカーを教えるボランティアでいいんですね。こうして、「自分さえ良ければいい」「お金さえあればいい」という考えから「みんなで助け合っていこう」という思考に脱却することが大事だと思うんです。ある意味、資本主義社会への挑戦ですね(笑)。

つばめ塾に講師で来てくださっている先生は、無償で、かつ交通費も自腹なんです。そういう先生に習うことが、生徒の将来に「種」を蒔いていると考えます。種が蒔かれていなければ、芽が出ることはありません。いつ芽が出るかは誰にも分かりませんが、種のない芽は存在しないことははっきり分かるわけです。

まだ始まって2年も経っていない塾ですから、まだまだ理想論をとなえていると思いますが、理想がないことに情熱を燃やしても仕方ないですから、毎日楽しくつばめ塾の発展を考えて行動していますよ。

杉浦:よく分かりました。私もこれからの日本の将来を考えてつばめ塾の講師に参加したので、これからも頑張っていきたいと思います

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